学問の芝生


ご無沙汰しておりました。こう、ブログを書こう書こうと思えば思うほど、ちゃんとしたこと書かなきゃなとか身構えてしまって、筆が重くなっておりました。まあちゃんとしてた試しなんてないけど。すみません。毎日少なからず通って下さってる方もいるようなので、もうちょっとコンスタントに。

bakumon.jpg

僕は普段それほどテレビを見ません。見るのはNHKが多いです。
かっこつけじゃないです。だって民放って騒がしいでしょ。バラエティ番組でも、なんて言うか結果ばっかり発表するし、手っ取り早すぎるというか、あまりに美味しいところ取りな内容が多くて。疲れる。

そんな我が侭な僕が一番好きな番組は、NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」。

レコーダーを購入した頃、2009年5月19日 FILE071:「ヒトと殺しと男と女」の回から毎週欠かすこと無く録画、しつこいほど繰り返し再生しています。FILE001〜010:まで収録されたDVD-BOXも所持。(もっと発売して欲しい…)
今まで見てきた80以上のニッポンの教養で、一番好きな回、これは何と言ってもFILE074:「私は ここに いる」という盲聾者(耳が聞こえない、眼が見えない)の福島智さんのお話。この意見は偶然にも100回記念スペシャルで爆笑問題の二人、ゲストの伊集院光さんと一致。それほど、この回は群を抜いて素晴らしかった。
福島さんは東京大学の教授をなさってるんですけど、世界で初めて全盲聾で常勤の大学教授になった方だそう。
その回の内容は、福島さんのお母さんが開発した指点字の紹介や”障害者”という概念の歴史から「そもそも障害とは何か?」という根源的な話題まで発展。とても”障害者”とは思えない彼の明るい性格と、子供の頃の記憶で喋っているという関西訛りの話口。まるで見えてる聞こえているかのように爆笑問題と肩を並べてジョークを言う姿に、僕はつい涙しかけました。それは障害者の方や福島さんに対する哀れみの涙なんかじゃなく、ただ、すてきな人間に出会えたという感動の涙だっただろう。そう、ちょうど漫画「天才!柳沢教授の生活」を読んだときの感覚に近い。

他にもギャンブル学の回、「戦争は作られる」という回、実験心理学の「時間」ってなんだっていう回、半生命の回、などなど名作は本当にたくさんある。個人的には、ほんの少し哲学的な回が好きだったり。哲学者は嫌いだけど。

そして、つい先週の回 FILE144:「死ぬ前にしたいこと」というホスピスの話が非常に良かった。
以下NHKのホームページより引用
-----------------
徳永進(医師)

余命1か月だとしたら、あなたはどう過ごしたいですか・・・?
末期がんなどで治療が難しいと告げられた患者が、最期の日々を過ごす場所・ホスピス。鳥取の住宅地にある「野の花診療所」は、院長の徳永進のユニークな実践から、全国にその名を知られるホスピスだ。徳永のモットーは、死期が近づいた患者に、思うがままに過ごしてもらうこと。元漁師の患者が海が見たいと言えば一緒に船に乗りこんだり、肝臓がんの患者が焼き肉が食べたいといえば一緒に焼き肉屋に出かけて乾杯したり、空を飛びたいという患者とともに魔女のコスプレをしたり…。型破りな発想で患者と向き合いながら、これまで数千人を看取ってきた。
ホスピスを訪ねた爆笑問題は、黄色い声混じりの大歓迎を受ける。院内にはピアノの生演奏やコーヒーの香りが流れ、小さな「瞑想室」や死後の配達も請け負う郵便ポストなど、病院とは思えないユニークな仕掛けがあちこちに。爆笑問題は徳永の往診にも同行、海辺の自宅で過ごす末期がんの男性を訪ねる。徳永が、爆問にどうしても見せたかったものとは…?そして太田もまた、寝たきりになった82歳の父との時間を語り始める。死を通して見えてくる生の意味とは?命をめぐる対話の一本勝負。
------------------
これまた先生のキャラクターが本当に素敵だった。
そしてこの内容をいま、あえて放送したNHKも凄いと思った。これが3/11以前に収録されたものなのか、その後に収録されたものなのか分からないけど、妙にタイムリーで、きっとこれを去年見てたらまた違う感想だったかもしれない。

FILE094:「よりよく死ぬための哲学」の清水哲郎氏の言葉を借りると、「どんな死に方」ではなく「どんな生き終わり方」をするのかって大事です。自分の好きな生き終わり方が出来たら、それはとっても幸せなことです。それを思うと、そうでなかった人たちが残念でなりません。

ちなみに僕は葬式で住職さんにお経を読んでもらったところで意味が理解できないので、代わりに僕のiPodから適当に流しといて欲しいです。

でも出棺の時は椎名林檎の「この世の限り」がいいです。まだ死ぬ予定は当分ないけど!

それでは終わりに「この世の限り」聞いて下さい。まさしくこんな人生を歩めたら。

9c9b06.jpg
この世の限り(memory)
作詞・作曲/椎名林檎

この世に限りはあるの?
もしも果てが見えたなら
如何やって笑おうか愉しもうか
もうやり尽くしたね
じゃあ何度だって忘れよう
そしてまた新しく出逢えれば素晴らしい
然様なら 初めまして

But still my dear if the end draws near what should I do?
If you hold me tight I'd feel all right but still be blue
But if a song were to play just for us for a moment
To take the heartache away

Well then I'd say, I'll make a song for you
Nothing too old, and nothing too new
Sing to the light of day
You'll smile for me, we'll be happy that way

Da la la...

Just turn away and take this point of view
Nothing is old, and nothing is new
When you look at me and say I'll forget you...

If you were me who would you be when the sun goes down?
Two faces bright but I fear the night might come around
And if reflections appear from the past, all our moments,
Smiles, love and laughter, I fear...

And take this point of view
Nothing is old, and nothing is new
When you look at me and say
Nice to meet you, would you mind if I stay?


(この世の果てを視たら?
泪が出るかもしれない
最後はどんなレコードをかけようか
選びきれないね
じゃあたくさん造り出そう 
果てて懐かしく出会えれば素晴らしい
こわいこと何もないよ

じゃあ何度だって忘れよう 
そしてまた新しく出会えれば素晴らしい
さようなら

この世に限りはあるの?
もしも果てが見えたなら
如何やって笑おうか愉しもうか
もうやり尽くしたね
じゃあたくさん造り出そう 
果てて懐かしく出会えれば素晴らしい
こわいこと何もないよ
じゃあ何度だって忘れよう 
そしてまた新しく出会えれば素晴らしい
さようなら はじめまして)

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。